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JIS Q 9100認証制度

航空宇宙 品質マネジメントシステム認証制度

IAQGは、ISO9001第3者監査とプライム監査の2本立てによる無駄を排除するため、業界共通の要求事項を標準化した9100規格とそれをもとに監査を共有する仕組みを開発しました(図1)。この仕組みでは、通常のISO9001の監査制度にはない業界による監視制度(ICOPスキーム)を取り入れています。(図2)

航空宇宙品質マネジメントシステム認証制度
図1 航空宇宙品質マネジメントシステム認証制度

業界による監査の共有
図2 業界による監査の共有 

9100審査登録制度の詳細を図3に示します 。
組織は品質マネジメントシステム規格(JIS Q 9100)の要求事項に適合する自社の品質マネジメントシステムを構築し、それを第三者である認証機関に審査してもらいます。 JIS Q 9100に基づく認証は、従来プライム企業などの顧客が実施してきた品質システム審査に代わるものとしてIAQGメンバー会社間で認知されており、その審査データを従来の顧客審査の代わりに活用することとしています。審査結果を記述した審査報告書等はIAQGにより標準化されており国内ではSJAC 9101 として発行されています。 審査結果に関する報告書の写しは受審会社(組織)に残すことが義務付けられていますので、顧客及び法規制当局に審査結果を提示することができます。審査結果の情報は、JAQGの事務局を通じOASISデータベース(ウェブサイト)に登録され、 IAQG/JAQGメンバー会社によって活用されますので、JIS Q 9100品質マネジメントシステムを構築し認証を登録した組織には、顧客による監査等が省略または簡略化されるほか、ベンダーリストに登録されるなどのメリットがあります。

9100認証制度

図3 9100審査登録制度

国際相互認証の仕組み

日本のJIS Q 9100は米国AS9100及び欧州EN9100と共に世界標準の航空宇宙産業の品質マネジメントシステム規格として制定された規格です。これらの3規格は、図4に示す仕組みによって相互認証されJIS Q 9100は米国、欧州の企業に対しても有効な規格になっています。日本では、JRMCがJIS Q 9100に対する認証制度の運用状況について監視する役割を担っています。 9100QMS規格はISO9001に航空宇宙業界特有の要求事項を追加した規格ですが、独自の認定機関を設置せずにISO9001認証制度の仕組みをそのまま活用しています(ICOP: Industry Controlled Other Party)。このため、JIS Q 9100ではISO9001の同時認証取得も可能です。欧州、南北アメリカおよびアジア太平洋地区(以降3セクターという)はそれぞれ審査登録管理委員会を設置し各地区のICOPを管理しています。認証制度の3セクター間の同等性はIAQGのOversightチームが相互監視することにより担保しています。

品質マネジメントシステム規格の相互認証

図4 品質マネジメントシステム規格の国際相互認証  

IAQGは9100QMS認証データを登録し一元的に把握する世界統一のデータベースシステム(Online Aerospace Supplier Information System;http://www.iaqg.sae.org/oasis/)を運用しています。JIS Q 9100などの9100QMSの認証を取得した組織は、IAQG-OASISに登録されます。これにより南北アメリカ、ヨーロッパおよびアジア太平洋のプライム会社より航空宇宙・防衛関連サプライヤとして認知されるとともに顧客、Nadcapなどの品質マネジメントシステム監査が省略または簡略化されるなどのメリットがあります。また、近年では登録された組織の審査結果や審査内容に関する懸念事項の問い合わせの他、審査に対する改善意見を直接、審査を担当した認証機関にフィードバックできる仕組みを追加するなど、認証データの活用促進や認証制度の信頼性向上に繋がるシステムの改善を継続的に実施しています。OASISウェブサイトの使い方はJAQGのパブリックウェブサイト(http://www.sjac.or.jp/jaqg/)で紹介しています。
現在、OASISデータベースには約20,000を超える事業所(内、日本は約1,300件)が登録されている。

国際的に相互認証された審査結果がデータベースに登録されることにより、以下のメリットがあります。

サプライヤのメリット

  1. サプライヤ自身の品質マネジメントシステムがJIS Q9100規格に適合していることについて第3者の視点で確認(お墨付き)されていることをOASISデータベースによりグローバルに公にすることができる
  2. 客先発注の候補メーカーとなり、ビジネスチャンスが増える
  3. 品質マネジメントシステムに関する能力調査や顧客監査が省略または簡略化される可能性が大きくなる

プライムメーカーのメリット

  1. OASISデータベースを認定サプライヤリストやサプライヤ管理ツールとして活用できる
  2. 発注時に経験、能力のあるメーカーを選定できる
  3. 能力調査、審査等を簡略化できる

関係機関

(1) JAB(認定機関)

(公財)日本適合性認定協会(JAB:Japan Accreditation Board)は日本国の認定機関です。JABの役割は、要求される品質マネジメントシステム規格に対し、認証機関、審査員資格証明機関(ISO9001審査員)の活動が国際的な基準に従い、公平透明に行われているか審査し、公式に認め、登録することです。JABは、国際相互承認協定(MLA: Multilateral Recognition Arrangement)を各国の認定機関との間で締結しており、その認定は国際的に通用します。なお、「相互承認」とは、認定機関同士が「認定」システムを相互に承認することにより当該認定機関の認定をもつ認証機関による認証が国際的に認知されるものとすることで認証の重複を防ぎ、国ごとに認証を実施する手間や時間を省くものです。"MLA"を締結していると、認証の手続が両国間で異なる場合であっても、自国の基準に基づいて行われた認証結果を相手国内でも受入れられることになります。尚、日本におけるJIS Q 9100の認証制度では、JRMCが認定機関(AB)として承認しています。

(2) JRCA(審査員資格証明機関/研修提供者承認機関)

(一財)日本規格協会 マネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA: Japanese Registration of Certificated Auditors)の役割は、マネジメントシステム審査員の資格基準及び評価登録手順等を規定するとともに、マネジメントシステム審査員を評価・登録すること、並びに審査員研修コースを運用する研修提供者の承認基準及び承認手順等を規定するとともに研修提供者を承認することです。
尚、日本におけるJIS Q 9100の認証制度では、JRMCが審査員評価登録機関(AAB)/研修提供者承認機関(TPAB)として承認しています。

(3) CB(認証機関)

認証機関(CB: Certification Bodies)は、企業、工場等の品質マネジメントシステムを評価し、認証する機関です。現在、JIS Q 9100 に対しては次の機関がJABより認定されています。(認定順)

  • (一財)日本品質保証機構マネジメントシステム部門(JQA)
  • (公財)防衛基盤整備協会システム審査センター(BSK)
  • 日本検査キューエイ株式会社(JICQA)
  • ロイド・レジスター・クオリティ・アシュアランス・リミテッド(LRQA)
  • ビューローベリタスジャパン株式会社(BVJC)
  • DNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(DNV GL BAJ)

(4) TP(研修提供者)

研修提供者(TP: Training Provider)は、企業、工場等の品質マネジメントシステムを審査する審査員に対する教育を行う機関です。なお、航空宇宙審査員は、JIS Q 9001品質マネジメントシステム審査員の能力に加え、航空宇宙・防衛分野特有の能力が必要です。このため、航空宇宙審査員は航空宇宙・防衛産業の実務経験、品質マネジメントシステムの審査経験及びJIS Q 9100の研修コースに合格修了している必要があります。現在、次の機関がJIS Q 9100 に関する審査員研修提供者としてJRCAより承認されています。

  • 株式会社テクノファ(TF)
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